■五行歌について

五行歌についての説明風祭智秋の作品『彩』同人の作品織折句(はたおりく)

YouTubeに掲載している五行歌の紹介ビデオです。よかったらご覧になってください。

長野県上田市のケーブルビジョン、UCVのニュース番組にて、五行歌の魅力についてのレポートが放映されました。
Youtubeへのリンクはこちらから  



五行歌についての説明


これから私の愛してやまない五行歌について、皆さんになるべく分かりやすくお話ししたいと思います。
 

五行歌とは文字通り、五行で書けばよいのですが、実際にはどんなことに気をつければよいのでしょうか。

はっきり言ってしまえば、きまりはありません。その人らしく書けば、それでよいのです。

 

しかしながら、ちょっとしたコツのようなものはあります。

それは、あまりダラダラと一行を長くしないということです。

目安として、一行が、長くても10文字前後というところだと私は思います。

 

そして一行を長くせずに五行にまとめるということは、そうはたくさんのことをいっぺんには言えないということにつながります。

 

つまり、大盛り、てんこ盛りにしすぎないほうがいいのです。

かつ丼なのに、天ぷらや海鮮の具までのせるようなことをすると、何の丼ぶりの味やら分からなくなってしまいます。

素材をある程度しぼって、素材そのものの味わいを活かすような作歌をすることをお勧めしますよ。

 


想い あの雲の ひとつに ひとつ 雫の

こんな具合に、かなり短くてもステキな作品ができますね。
逆に長い作品の例を挙げてみると、

 
やっぱりわからなくていいや この子を抱きしめるといくらなんだろう
考えてみたけど 給料にしてみるといくらになるのか お母ちゃんの仕事は


こんなふうに一行が長い作品も作ることができます。
それでも変にならないのは、盛り込んだテーマが、
「お母ちゃんの仕事っていくらくらいなの?」という、たった一つだからなのだと思います。

テーマをあれもこれもと入れて、長くなると、作品自体がピンボケしてしまうのです。

 

五行歌はイマドキ流行りの言葉を使っても構いませんし、もちろん方言や、変わった言葉も

お好みしだいです。まさに人は十人十色ですし、現代人が多様化しているということを考えると、

五行歌ほど現代にマッチした文芸は無いのではないかと私は考えています。

 

あなたも、あなたらしく、五行歌を綴ってみませんか?

たかが五行、されど五行。あなたの心を五行の中に広げてみませんか?

五行歌は、自分の心を見つめる最高のツールだときっと気づいていただけると思います。

 

もしも私の説明を読んで、初めて五行歌を創ってみたという方がいらっしゃいましたら、私のアドレスに作品をお寄せください。

私なりにこれまでの経験を活かしながら、アドバイスや感想など、お声をかけさせていただきます。

また、こんなときはどうしたらいいの?というような五行歌作りに関するご質問もお気軽にどうぞ。

 

ちあきは、五行歌を愛好してくださる皆さま、一人ひとりと向き合いながら、楽しく五行歌の世界を広げてゆきますので

どうか応援してくださいね。



風祭智秋の作品

心の
			
インク瓶に

とぷん  と

筆を浸して

詩を綴る
波が

貝殻を洗い

風が

私を洗い

尖ったものを丸くしていく 白い雲

への字に流れて

まるい月

のぼってきたら

ぺの字になった
鳥よ

翼を持つ進化を

遂げた労苦を語るより

大空を

語れ
花びらを数えるように
			
今日いちにち触れた

優しさと

幸福を

数えながら生きて行く
精一杯と

失敗

なんか似ている音

いいじゃないの

頑張ったんだから





『彩』同人の作品



           永田三枝子

夕方のデパ地下

人でごった返す

一瞬にして

何でもそろう

魔法の館
           芦田みのり

舞台は通勤路

脚本家はわたし

俳優はわたし

演出家もわたし

今日の物語
           船津ゆり

動かぬ

花より

転がる

石に

成る
           多賀ちあき

悪妻と

いう役を

うまく

演じれば

おのずと良妻
           坂木つかさ

ラッシュの階段

駆け下りる

男の背中は

みんな

真四角
           作野昌子

形のないものを見て

その声を聞く

窓に

一条の光

差し込む
           東福寺知子

何も考えずに

ただ雨音を

聞くのは

案外

難しい
           青木マリ

全身が

火の玉になって

燃えあがる

明日

あなたに逢える





織折句(はたおりく)

風祭が知恵をしぼって言葉遊びを楽しむために創った形です。
一行目の音を各行頭に織り込んだ五行歌のことです。

せつないね

つないだこの手も

泣き濡れて

いつのまにか

熱も冷めていく
恋心
 
   もてあそ
幾つ弄んで

ご ま か
誤魔化して

懲りもしないの?

ろくでなし
生きている

君の

手のひらに

今 広がってゆく

瑠璃色の夢
冬の朝

ゆうべ
昨夜の酒が

残ってて

浅き夢の中

寒さに震える
枯れ薄

烈風

過ぎて

隙間風の

切り裂く心
秋の月

きら
煌めいて

   すすき
野の薄たちも

つられて

煌めく





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